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人間医学社

よくある漢方相談

CONSULTATION

人類の歴史は、感染症との戦いの歴史でもあったといえる。特に、近代になって人々の交流が活発になり、都市化が進んで密集する生活が多くなったため、感染症の流行が頻発するようになりました。人々は、結核やコレラ、ペスト、天然痘、マラリア、エイズ、エボラ出血熱、SARS、MARSなど、さまざまな感染症に悩まされてきました。

感染症の歴史の中でも特に大きな出来事となったのが、インフルエンザだ。今から約100年前、第一次世界大戦の最中に、H1N1亜型のインフルエンザ「スペインかぜ」が大流行しました。その発生源は、アメリカのカンザス州にある軍事基地。ウイルスに感染した兵士が、ボストン経由でヨーロッパ戦線に参加したため、ウイルスが全土に広がったとされています。このスペインかぜでは、約5千万人が死亡したそうです。また、その前に流行した「ロシアかぜ」でも、約100万人が死亡したとされています。世界を見ても、ウイルス感染を何度も繰り返してきたのです。

アセトアミノフェン

かぜをひいたとき、病院ではPL顆粒を処方されることが多いのではないでしょうか。この中には、アセトアミノフェンをはじめ、サルチルアミドやカフェインなどが含まれています。

総合感冒で、かぜによる発熱や鼻水、くしゃみ、のどの痛みなどの症状を和らげる目的で使われています。

ただし、この薬では、かぜの原因であるウイルスそのものを殺すことはできません。あくまで、症状を抑えるために使われるものです。アセトアミノフェンは、作用の穏やかな安全性の高い解熱薬で「カロナール」の名前でよく知られています。抗炎症作用はあまりないため、他の成分を足したPL顆粒がよく使われています。

体液性免疫と細胞性免疫

細胞やウイルスは、鼻やのどなど、体のあらゆる粘膜から入ってきます。そこに用意されているのが自然免疫です。これを突破すると「体液性免疫」ができます。抗体を作って異物に対抗する免疫です。さらに体液性免疫も突破すると「細胞性免疫」ができます。感染した細胞を排除する免疫細胞が働き、冒された細胞ごと殺してしまうのです。

いまのワクチンは、自然免疫をおさえてしまう傾向があるという説があります。一部の人は、帯状疱疹やヘルペスなどとして免疫異常が出ているともいわれています。

自然免疫反応の「炎症」

熱が出ると、のどが赤く腫れるようになります。これを「炎症」と呼びます。炎症の4つの兆候は「腫れる」「痛みが出る」「赤くなる」「熱を持つ」です。炎症は病気やケガが生じたときに発生するため、悪いイメージがあるかもしれませんが、。本来は健康を維持する上で必須の反応です。

炎症反応は、体に侵入した細菌やウイルスなどの異物を排除しようとする際に起きるもので、体に備わっている治癒力を促す自然免疫反応なのです。

カテキンの力

緑茶に「カテキン」が含まれていることは、よく知られていると思います。緑茶カテキンの一種「エピガロカテキンガレート」は、お茶の渋味成分であり、タンパク質に結合して代謝に影響する性質を持っています。エピガロカテキンガレートがコロナウイルスのスパイクとくっつき、鼻やのどなどの粘膜やACE2と結合するのを防いでくれます。特に、濃いお茶でうがいを兼ねて飲むと良いといわれています。

ターメリックの作用

また、ターメリック(ウコン)を摂取することでも、粘膜でのウイルスのスパイクがACE2との結合を防ぐことができるとされています。ターメリックにはさまざまな働きがあり、肝機能強化作用や、健康作用、抗炎症作用、胆汁酸を出してコレステロールを下げる働きなどもあります。

そのほか、「アミロイドβ」の蓄積を抑える働きもあります。アミロイドβは、脳内で作られるタンパク質の一種、蓄積するとアルツハイマー型認知症の原因となる物質です。インドでは、他の国と比べてアルツハイマーの発症率が低いといわれています。これは、普段からカレーをよく食べているからではないかとされています。高温多湿の地域で使われるスパイスには、感染症対策効果のあるものが入っているのです。

ノビレチン

日本でも、南の地域ではウコンをところもありますが、ここでシークワーサーについても触れておきます。

シークワーサーには、「ノビレチン」という成分が含まれています。このノビレチンは、新型コロナウイルスのスパイクタンパクと結合することで、体内へのウイルスの侵入を予防する力があります。「かぜにはミカン」と昔からいわれてきましたが、ノビレチンは柑橘類に多く含まれており、ミカンには、100g中24㎎のノビレチンが含まれています。そしてシークワーサーには、100g中267㎎も含まれていることが明らかになっています。

ノビレチンをマウスに投与したところ、アミロイドβの蓄積を抑制することがわかったのです。このことから、記憶認知作用、記憶改善作用、慢性炎症の抑制に関わるタンパク質の活性化などの効果が期待されています。

アスピリンは

このほか、納豆に含まれるナットウキナーゼにも、ウイルスのスパイクタンパクを分解する働きがあります。シークワーサーや納豆などの有効な食べ物を日頃の生活に取り入れたり、お茶でうがいをしたりして、予防に努めてください。

昔から、「ヤナギの皮を煎じて飲むと、熱が下がる」と伝えられてきました。ヤナギの皮には「サリチル酸」が入っており、これに解熱作用があるということが明らかになってきました。しかし、そのままでは使いづらいため、「アセチルサリチル酸」というものを作りました。これが「アスピリン」の始まりです。

「バファリン」はアスピリンそのものではないですが、胃への刺激を和らげるために、別の成分を少量配合しています。

アスピリンは、アラキドン酸からプロスタグランジンが作られるときに使われる酵素COX(シクロオキシナーゼ)を阻害していることが明らかになりました。プロスタグランジンは炎症とか発熱とか痛みに関わる物質です。

漢方薬の効果

漢方薬は、歴史的に繰り返されてきた感染症のパンデミックを抑え込む薬として、約1800年前に生み出されたものです。

感染予防やワクチンの副反応に対して奏功するだけでなく、感染した後の症状にも大きな効果を発揮します。発熱や悪寒、倦怠感などの初期のかぜ症状は、漢方薬の最も得意とする分野です。せきや痰などにも、有効な漢方薬が揃っています。

漢方薬の効果は、服用した人が自力で病気を治せるようにサポートするものです。そのため、その人に応じた柔軟な効果が得られるのです。

漢方医学では、急に発熱する病気のことを「傷寒病」と呼びます。漢方の古典に「傷寒論」というものがありますが、これは元々、感染症マニュアルであったといわれています。かぜ症状(発熱、悪寒、倦怠感など)からはじまり、肺炎症状(咳、痰、重度の呼吸困難)に至るまで有効な漢方薬が揃っています。

また、新型コロナウイルス感染症の死因となるサイトカインストーム(免疫暴走)を防ぐ上でも漢方薬は大いに役立ちます。

NSAID

発熱にはアセトアミノフェン(カロナール)か、「NSAIDs(非ステロイド性抗炎症剤)」が使われることが多いのではないでしょうか。しかし、NSAIDsを飲むと、インフルエンザや敗血症などの感染症では、死亡率が高くなるという報告があります。

発熱しているときに解熱鎮痛薬をすぐに飲むと、37℃を維持することが必須の深部体温を下げてしまい、結果的に免疫力が低下し、病原体の繁殖を促すリスクが高まります。そのため、NSAIDsよりもアセトアミノフェンの方が比較的安全だとされています。熱を下げれば感染症が治まるのではなく、感染症が治ってくれば発熱は改善するものです。

おすすめの漢方

当社でおすすめしているのは漢方系食品です。

私も風邪の時は必ず服用しています。

解熱効果に優れており、鼻水、鼻づまり、ノドの痛みなどにも有効です。

葛根湯や麻黄湯などの漢方薬とは違いますが、併用されてもいいです。

なお、当店でも、こうした悩み相談のお客様は数多くいらしています。

薬剤師として、こうしたご相談をうけたまわります。 ぜひお問合せください。

この記事を書いた人

薬剤師 大浦荘一

株式会社人間医学社 代表取締役

平成16年薬科大学卒業 平成17年薬剤師免許取得