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腰痛

今、日本の成人のおよそ4人に1人が腰痛に悩まされています。腰痛はもはや国民病といってもいい症状です。腰痛は大きく「特異的腰痛」と「非特異的腰痛」に分けることができます。

特異的腰痛というのは、医師による診察や画像診断で痛みの原因が特定できる腰痛で、腰痛の約15%を占めています。原因となる代表的な病気としては、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などが挙げられます。

一方、非特異的腰痛というのは、画像検査などをしても痛みの原因となるような異常や病気が認められない腰痛のことで、腰痛の約85%を占めています。

都立広尾病院整形外科の平尾雄二郎医長は「非特異的腰痛には、姿勢と歩幅が大きく関係している。非特異的腰痛の人は猫背で、首が前に出ているような姿勢で狭い歩幅でトボトボ歩く傾向がある」と述べられています。

このような姿勢は「体幹(胴体)」の筋肉が衰えている証拠だそうです。体幹が衰えると背骨が曲がって猫背になります。さらに腸腰筋(背骨と骨盤、大腿骨をつなぐ大腰筋や腸骨筋)が衰えて、腰が後ろに引けた歩き方になって歩幅が狭くなります。こうした姿勢、歩き方が続くことが腰痛の原因になるのです。

正しい姿勢

ですから、腰痛の予防、改善には、正しい姿勢で広い歩幅で歩くことが大切です。

正しい姿勢は自分で簡単にチェックすることができます。まず正面から見たときの姿勢は、鏡(全身が映る鏡がよい)の前で5回ほど足踏みして、力まず、自然に立ってチェックします。左右の肩の高さが同じ(水平)で手の平は太ももの横にあり、膝とつま先が真正面を向いていれば正しい姿勢です。

もし左右の肩の高さが違っていたら、重心が偏っています。手の平が太ももの前にあれば猫背になっています。

横から見た時の姿勢を調べるには、壁を背にして立ち、後頭部、肩、お尻、ふくらはぎ、踵の5点をチェックします。この5点がすべて壁につけば正しい姿勢になっています。

また、腰と壁の間の隙間を調べることで、猫背か反り腰かを判断することができます。腰と壁の間の隙間に手を入れてチェックします。

正しい姿勢…4本の指先を曲げた手(親指を除く)がかろうじて。

猫背…指先がまったく入らない。

反り腰…握り拳が余裕で入る。

65cmの歩幅

もう一つは歩幅ですが、広い歩幅というのは「65cm以上」を指します。歩幅というのは、一歩踏み出した片足のつま先(親指の先)から、後ろの足のつま先までの距離をいいます。猫背や反り腰の人は歩幅が狭くなります。腰痛の予防には65cm以上の大股で歩くように心がけることが大切です。

自分の歩幅を知るには、はじめに、つま先の位置に印つけておき、そこから10歩、歩きます。そして10歩目につま先がついた位置から、最初のつま先の印までの距離を測り、これを10で割れば一歩の歩幅を割り出すことができます。

歩幅が65cm以上あるかどうかは、横断歩道でチェックすることもできます。横断歩道の白線の幅はおよぞ45cmです。足のサイズはだいたい20cm以上あるので、横断歩道の白線を踏まずに歩いて超えられれば、65cm以上の歩幅があると考えられます。

歩幅が狭い人の腰痛の予防には、まず「現在の歩幅プラス5㎝」を目標に歩いてみてください。広い歩幅で歩くのが難しいという方は、2本のポール(ストック=杖)を使って歩く「ノルディックウォーキング」をおすすめします。転倒防止や姿勢の改善にも有効です。

これだけ体操

腰痛の予防、改善には運動療法が役立ちます。腹筋運動や背筋運動、下半身のストレッチなど、さまざまな種類がすすめられますが、忙しい現代人が毎日継続することは容易ではありません。そのような方におすすめしたいのが「これだけ体操」です。

これは東京大学医学部付属病院の松平特任教授が考えられた体操です。腰痛の人は背中の筋肉が硬く、血流が滞っていることが多い。また、椎間板の中にある髄核の位置がずれるのも原因の一つと考えられています。これだけ体操は、滞った血流を改善することができ、髄核の位置を元に戻し、腰痛の予防や改善に効果的です。

体操のポイントは次の2つです。

「腰をそらす」

パソコン作業や家事、育児などで前かがみの姿勢が続いたときや、重い荷物を持ったときには、髄核が後にずれています。

そのようなときには、

①足を肩幅よりやや広めに開き、両手をお尻に当て、指先を真下に向ける。

②両手を支点にして、息を吐きながら骨盤を前に押し出すようにして腰を反らせ、約3秒間保ち、元に戻す(1~2回)

「腰をかがめる」

ハイヒールを履いて立ち続けたり長く歩いたりして、腰に反りぎみの負荷がかかったようなときには、髄核が前にずれています。

そのようなときには、

①椅子に腰かけて、足を肩幅より広めに開く。

②息をはきながらゆっくり背中を丸め、床を見ながら約3秒間保ち、元に戻す(1~2回)

以上のように、腰痛の改善には姿勢を正して広い歩幅で歩いたり、これだけ体操をしたりすることが役立ちますが、それに合わせて、漢方系食品や漢方薬を摂られると、より効果が高まると思います。

なお、当店でも、こうした悩み相談のお客様は数多くいらしています。

薬剤師として、こうしたご相談をうけたまわります。 ぜひお問合せください。

この記事を書いた人

薬剤師 大浦荘一

株式会社人間医学社 代表取締役

平成16年薬科大学卒業 平成17年薬剤師免許取得