腰痛
- 2025.07.23
- 膝・腰の痛み
大阪梅田の漢方薬局「人間医学社」阪急梅田駅より徒歩1分
CONSULTATION
腰痛は、病院を受診する理由としてはかなり多いもので、性別にみた通院者の割合は、女性で2位、男性では4位でした。
腰痛でも、急性の腰痛は痛み止めで急場をしのいでいれば、1ヶ月という期間でみるとほとんど治ってしまいます。
しかし、慢性腰痛となると、確かに腰が痛いのですが、痛みを生じる原因は腰ではなかったりします。
日本の腰痛の第一人者である菊地臣一先生は、著者「腰痛」の中で、腰部の形態学的変化を決して腰痛と結びつけてはいけない、と警笛を鳴らしています。
腰以外のなんらかのシステム異常が腰痛の原因だと考える必要があると思います。
年齢が高くなるにつれて、とくに下半身から弱ってくることは、よく見られる現象です。
これは腰の部分の筋肉にも言えることです。
腰を支える力が落ちると、弱い筋肉で過度の仕事をしなければならないので、結果として腰の筋肉系が疲れて痛くなります。
栄養面での対策としては、動物性のたんぱく質を積極的に取って、血清アルブミン値を4g以上に保つことが有効です。
筋肉の材料であるたんぱく質が不足しますと、腰の筋肉が衰えて、歩く力も落ち、最終的には寝たきりになる確率が高くなります。
漢方薬にも生まれながらの生命力が落ちてきた状態、つまり老化を使用目標にしたものがあります。
八味地黄丸、牛車腎気丸、六味丸です。
これらの漢方薬はじっくり長期間にわたって服用することによって、じわっと効果が出てくるタイプで、本格的に効いてくるには、
早くて1ヶ月、遅いときには3ヶ月以上かかることもあります。
ただし、胃腸の弱い人は長く飲むことができません。
胃腸の調子が悪くなったら服用を中止して下さい。
腰痛の中には、痛みの程度はそれほどではないものの、腰のあたりがなんとなく痛いとか、だるい、すっきりしないものがあります。
このような腰痛を、腰のあたりの微小循環が悪いので痛みを感じるというイメージに当てはめられるときには、
疎経活血湯、桂枝茯苓丸、五積散の中から選択すると日本東洋医学会認定専門医であられる井齊偉矢先生はいわれます。
疲労が重なりますと、筋肉系も疲労して、それが腰痛の原因になることがあります。
これには補中益気湯がおすすめです。
補中益気湯の中という文字は、お中(お腹)という意味です。
まずは胃腸から元気にして、身体の元気さを取り戻すという効き方をします。
疲労倦怠に至る期間が短いほど、効果は早く出る傾向があります。
手足の先や下半身などが冷えることによって腰痛が発症することがあります。
直接の因果関係ははっきりしませんが、熱産生能力の低下によって、しわ寄せが腰にくるのではないかと推測されます。
主に手足の冷えに効果のある当帰四逆加呉茱萸生姜湯と、主に腰の冷えに有効な苓姜朮甘湯などあります。
怒りが腰痛の原因になるといわれてもピンとこないと思います。
まず怒りは、交感神経という自律神経が緊張状態になります。
この緊張は、とくに背骨の両側に分布している姿勢筋の微小循環を悪くします。
これによって腰あたりの筋肉の血行が滞り、結果的に腰痛という形で現れてきます。
感情の中でも、怒りの感情はいつまでも消えにくく、むしろ蓄積して大きくなりやすいのでやっかいです。
怒りで気が高ぶっているような場合には、抑肝散または抑肝散加陳皮半夏を使います。
株式会社人間医学社 代表取締役
平成16年薬科大学卒業 平成17年薬剤師免許取得