カタツムリと腎臓
- 2025.03.04
- 腎機能の低下、透析中のだるさ
大阪梅田の漢方薬局「人間医学社」阪急梅田駅より徒歩1分
CONSULTATION
蝸牛(かたつむり)と人間との付き合いは古い。
日本では「デンデン、ムシムシ、カタツムリ~」の童謡でおなじみだが、このような歌は中国からヨーロッパ各地にもあります。
ヨーロッパでは、カタツムリの童謡は古代の神話と関係があり、カタツムリの殻が暗黒界を、角を出すのは夜明けの陽光を意味するといいます。
カタツムリの効能も、まさにこれだといってよいと思います。
長い闘病の間は暗黒の闇夜にちかい。
それがカタツムリの使用によって快方に向かえば、まさにカタツムリが角を出す(病気が治癒に向かう)ことに他なりません。
カタツムリの生命力、繁殖力にはすごいものがある。
エスカルゴといえばフランスの名物だが、この国はブドウの栽培も盛んである。
昔、ブドウの生産が軌道に乗ってブドウ酒が盛んに作られるようになった頃、フランスに入ってきていたカタツムリがブドウの葉を食い荒らし始めた。
カタツムリはブドウの葉が大好物です
そこで、カタツムリ退治に乗り出し、あの手この手で退治を試みたが、カタツムリの生命力の強さと繁殖力に、どうしても歯がたたない。
退治できないのならカタツムリを食ってやろう、ということでエスカルゴ料理が始まったといいます。
日本で、カタツムリが腎疾患に有効とされる根底も、この「生命力」にあります。
そもそも病気というものは、生命力、免疫力の低下によって、体の弱点に病いを発すると考えることができると思います。
ですので、いかなる病気であれ、まず生命力を高めることを考える必要があります。
次に、カタツムリが腎臓に有効とされる理由をさぐってみると、まず吸収のよいカルシウムを含むことがあげられます。
もう一つはカタツムリに多いネバネバです。
これの実体はムコ多糖体です。
これを細かく分ければ、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ヘパリン硫酸などになります。
このうちコンドロイチン硫酸には、腎炎やネフローゼに対して尿タンパクの減少、浮腫(むくみ)の低下、尿量の増加などの改善効果が臨床上、確かめられています。
カタツムリは貝の一種である(陸産の巻貝)。
海の貝の生態研究によって、カルシウムの運搬役をムコ多糖体が担っていることがわかっているが、この両者の相乗作用がカタツムリの効能の秘密のようです。
株式会社人間医学社 代表取締役
平成16年薬科大学卒業 平成17年薬剤師免許取得