今年は10年に一度レベルの花粉大量飛散で、春は花粉症の人にとってはつらい季節である。1961年に初めて報告された花粉症患者は、年々増加の一途をたどり、今では日本人の約3人に1人は花粉症にかかっているといわれる。そのほかアレルギー疾患には、食物アレルギー、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、気管支喘息などがあり、じつに日本人の2人に1人が何らかのアレルギー疾患にかかっているため〝国民病〟と呼ばれている。
今回は、アレルギー疾患の一つであるアトピー性皮膚炎について述べてみたい。
アトピー性皮膚炎の定義
1923年、アーサー・フェルナンデス・コカという米国の学者は、目・鼻・気管支・皮膚などに多彩な炎症が発現する、原因不明の遺伝性の先天性過敏症を発見した。コカはこれを「アトピー」と名付けた。アトピーは、〝特定されていない〟〝奇妙な〟という意味のギリシャ語に由来する。
コカの発見から10年後の1933年、米国人のザルツバーカーという皮膚科医が、この原因不明の皮膚病に着目し、アトピー性皮膚炎という病名を付けた。
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