睡眠は生きていくうえで欠かすことができない。その役割について、まだすべてが解明されたわけではないが、体の疲労を回復したり、免疫機能を高めたりするだけでなく、脳内にたまるゴミの処理をしていることが明らかになってきた。
脳内のゴミ処理に必要
脳の重量は体重の2%程度しかないのに、全身に必要なエネルギーの約20%を消費するため、ゴミを大量に出す。これを処理しないと、脳はアッという間にゴミの山になってしまう。
体の細胞も活動していると、ゴミを出す。このゴミは主にリンパ系を使って廃棄される。細胞と細胞の間には体液があり、細胞のゴミは一旦ここに出され、それをリンパ系が集めて廃棄してくれる。
ところが、脳には体にあるようなリンパ系はない。では、脳の神経細胞が出したゴミ処理はどこで行なっているのかというと、「グリア細胞」と考えられている。
グリア細胞は、神経細胞と血管とともに脳を構成する三大要素の一つで、リンパ系の代わりをしていると考えられている。このグリア細胞のゴミ処理としての働きは、目覚めている時よりも眠っている間のほうが10倍以上も活発になっているようだ。
さらに、眠っている間は脳の細胞が約60%縮小して、細胞と細胞の間に隙間が生じる。夜、寝ている間に大きく広がった隙間を介して、脳の体液である「脳脊髄液」が神経細胞の出したゴミを脳の外に運んでくれる。そのためにも睡眠は大切なのだ。
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