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夏の胃腸病(上)人間医学社会長 大浦 純孝|月刊「人間医学」9月号より

2020年9月1日

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 日本の夏は暑くて、湿度が高い。こういうときは水分代謝が悪くなり、胃腸の働きが低下しやすい。加えて、暑い季節には、そうめんやひやむぎといった、あっさりした食べ物が美味しく感じられる。子どもたちはアイスクリームやかき氷など、冷たい物を好んで食べる。
 こうした冷たい飲食物は、たしかに口当たりがよく、清涼感があって好まれるが、食べ過ぎると次第に腸が冷えてくる。すると、体の免疫細胞の約70%が集まっている腸内の免疫細胞の働きが悪くなる。その結果、体の抵抗力や免疫力が低下し、風邪のウイルスの侵入を簡単に許してしまうことになる。これは新型コロナウイルスの感染にもつながることになる。

   夏風邪の漢方薬

 冬風邪は寒くて乾燥した環境を好むライノウイルスやRSウイルスなどに対し、夏風邪は暑くて湿度の高い環境を好むアデノウイルスやエンテロウイルスによって多く発生する。夏風邪の主な症状は、発熱や頭痛に加え、胃腸の調子が弱って食欲を失い、腹痛や下痢などの腸の症状を伴う。
 こうした夏風邪に対しては、漢方薬の「藿香正気散」が有効である。夏風邪では暑さも増悪因子の一つとなっているので、体を温め過ぎることは適切ではない。藿香正気散の主薬である藿香には、適度に体を温めて湿気も発散させる働きがある。また、香りの強い藿香や紫蘇葉には、胃液の分泌を促進して消化力を高めたり、発汗や解熱の作用がある。
 そのほか、腹部膨満感の改善やガスの排出を促す厚朴や大腹皮、鎮痛作用のある白芷、制吐作用のある半夏や生姜など、11種類の生薬が配合されている。
 これらの作用によって悪心、嘔吐、食欲不振、重だるいなどを中心に悪寒、発熱、頭痛などを伴っている症状の改善に役立つ。藿香正気散は暑い時期に寝冷えをしたり、冷房や扇風機にあたり過ぎて体調をくずして夏風邪をひきやすいという人は常備しておくとよい漢方薬の一つである。

 ・・・・・(続きは9月号をお読み下さい)

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