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喘息は増えています(上)人間医学社会長 大浦純孝|月刊「人間医学」5月号より

2020年4月25日

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 今月は、喘息について、なぜ増えているかを考えてみたい。
 喘息を持つ人の数は、この10年間で1.5〜2倍ほど増え、日本だけで1千万人以上の患者がいるともいわれている。
 喘息が増えている背景には生活環境の変化やストレス社会の問題がある。生活環境としては排気ガス(工場排煙なども)やタバコ、食品添加物、住宅建材に使われている塗料や接着剤の問題がある。また、最近は室内で飼われているペットの毛や、羽毛布団に使われている上等な羽毛などが原因になっているケースも出てきている。
 ストレスに関しては長時間勤務による過労や、職場とか学校での人間関係・成績などによるストレスが高まり、心身ともに疲れ果てている人が増えていることが影響している。
 喘息は主に子供の病気だと思われがちだが、大人の患者数も多い。しかも、子供の頃に喘息を患っていて、成人喘息に持ち越したケースよりも、大人になって初めて発症したケースが多くなっている。
 症状はさまざま
 喘息の主な症状としては、劇しい咳込み、咳をした時に出る粘い痰、息苦しさなどが典型的なものとしてあげられる。さらに、息をする度にノドや胸からヒューヒュー、ゼイゼイと音がするといった症状も典型的なものとしてあげられる。
 だが、なかには痰を伴わず劇しい咳だけが出るといった例や、痰だけが多かったり、痰がからんで切れにくいという例もある。あるいは胸の痛み、息切れ、ノドや胸のあたりの不快感があるといった例や、息苦しさだけがあるといった例もある。こういった症状ではなかなか喘息だと気付かず、カゼが長引いているのだろうとか、年のせいだろうで済ませてしまうことがある。
 しかし、治療をせずに放置していると、気管支がより過敏になり、気道がより狭くなり、次第に発作の大きさも回数も増えてきて、治療困難に陥ってしまうことがあるので、注意が必要だ。
 喘息の発作は夜間や早朝、季節の変わり目や気温差の劇しい時、天気の悪い時に起こりやすいという傾向がある。しかし、発作がない時は健康な人と変わらず元気なところがあり、その差が劇しいのも特徴とされている。
 アトピー型と非アトピー型
 喘息には大きく分けると、IgE抗体が関係する「アトピー型」とIgE抗体の関与が認められない「非アトピー型」がある。
 ダニ、ハウスダスト、動物の毛、花粉、ソバ、卵、小麦粉、大豆、エビ、カニなど、特定のアレルゲンが引き金となって発作が引き起こされるものを「アトピー型喘息」と呼ぶ。
 一方、IgE抗体が検出できず、アレルゲンが特定できない場合を「非アレルギー型喘息」と呼ぶ。例えば、気温の変化、タバコの煙、香水の匂い、カゼなどのウイルス感染、過度のストレスなど、さまざまな刺激が発作の引き金となっている。
 アトピー型喘息では、IgE抗体と肥満細胞(マスト細胞)を主とした「即時型反応」と好酸球を主とした「遅発型反応」の2回、発作の波が起こる。
 一方、非アトピー型喘息では気道内において好酸球遊走因子に呼び寄せられた好酸球が大量に集まってくることから始まる。好酸球はタンパク質や化学物質を放出して、気道内の組織を破壊するのである。この反応はアトピー型喘息の遅発型反応として起こるのと同じだ。ただ、アトピー型喘息の場合、遅発型反応は即時型反応の3〜6時間後に再度の発作として起こるのである。

 *好酸球
  白血球の一種で、ある種の寄生虫に対して体を守る免疫機能を担っているが、一方でアレルギー疾患における炎症の一因にもなっている。
 *IgE抗体
  アレルゲンに特異的に反応する抗体のことで、肥満細胞の表面にくっついているIgE抗体にアレルゲンが結合し、2つのIgE抗体に架橋ができると、その信号が細胞内に入り、肥満細胞が活性化してヒスタミンやロイコトリエンなどの化学物質を放出する。IgE抗体をつくりやすい遺伝的素因をアレルギー体質という。健常人には極めて微量しか検出されない。・・・・・(続きは5月号をお読み下さい)

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