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年頭の辞|月刊「人間医学」1月号より

2016年12月25日

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 身だしなみを整える
 先進国の多くが信頼や連帯などの危機に苦しんでいる。その共通点として歴史家・人類学者のエマニュエル・トッドは次の四つの要素をあげている。
①共同体的な信仰の喪失。
 人の行動を導くようなもの、集団が共有する展望が欠落している。
②大規模な高齢化が急速に進んでいる。
③社会を分断する教育レベルの向上。
 教育という点で階層化された社会になって、文化的に不平等な世界になる。
④女性の地位の向上。
 これらの要素によって私たちは全く新しい世界にいる、というのだ。 「私たちは産業革命よりもずっと重要な移行期にいます。私たちは、それにいずれ気づくことになるのではないでしょうか」と述べている。
 医療の世界でも転換期にさしかかっているのだろう。西洋医学一辺倒から伝統医学が見直されてきている。急速に進む高齢化に対し、経済は低迷し、これまでの医療や介護のあり方では、この先、立ち行かなくなることは誰の目にも明らかになっているからだ。
 自分の身は自分で守るという姿勢が求められてくる。長寿県として有名な長野県は住民の平均寿命は長いのに、介護が必要な人が少ないことで知られている。要介護認定は沖縄県の半分だという。沖縄県は寿命は長くても、寝たきりの高齢者が多いようだ。それは高齢者を大事にする県民気質が関係しているとみられている。
 首都大学東京の星旦二名誉教授は、買い物や食事の支度や掃除などを「高齢だからやらなくていい」「危ないから自分でしないほうがいい」と制止してしまうことが多い地域は、確実に「寝たきり」が増えている、と指摘されている。星教授は長野県の長寿の理由としていくつかあげられている。それは、「ひとりあたりの老人医療費が少ない」「病気の治療よりも、予防しようとする意識が高い」「生涯学習に力を入れている」「高齢者の就業率が日本で一番高い」である。
 ちなみに長野県は医療環境に恵まれていない地域が多かった。長野県のひとりあたりの医療費は全国で最少レベルであり、したがって医者の収入も最低レベルだそうだ。
 星教授は元気で長生きな人に共通する生活習慣について、長年にわたって調査研究されてきた。その研究を始められたきっかけは、スウェーデンを訪問し、健康長寿に関する現状や展望を訪ねた時の厚生省担当官が発した一言だった。「人は身だしなみをよくすることで寝たきりにならない」。
 病院に行って薬をもらったり、検診を受けたりするよりも、身だしなみを整え、買い物に出かけ、学習意欲をもちつづけることのほうが、長寿と要介護割合を低くするうえで役立つことを、調査研究が明らかにしている。
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