新型コロナウイルスへの持続的な感染が、心不全のリスクを高める可能性があることが明らかになった。理化学研究所生命機能科学研究センターの老化分子生物学研究チームが、ヒトのIPS細胞を用いた実験で明らかにしたのだ。
実験によると、新型コロナウイルスに持続的に感染したヒトの心臓組織は、感染していない組織に比べて、虚血性心疾患のような低酸素ストレス下で心機能の低下を引き起こしやすいことがわかったそうだ。
新型コロナウイルスは、ACE2(アンジオテンシン変換酵素2)を介して細胞に感染する。心臓は、他の臓器よりもACE2の発現率が高く、さらに心不全患者では、心筋細胞におけるACE2の発現が健常者よりも高いことが報告されている。つまり心疾患のある患者は、新型コロナに感染しやすいというわけだ。
2019年から始まった新型コロナウイルスのパンデミックによって将来的に心不全(SARS-COV-2心筋症)が急増する「心不全パンデミック」が起こることが懸念されている。今回の研究結果は、心不全の発症・進行メカニズムの解明や、治療法の開発に貢献することが期待されている。
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