前号では、人体と病原体との鉄をめぐる争奪戦について述べてきた。この争奪戦は、生まれたばかりの赤ちゃんのときから始まっている。胎児の頃はほぼ無菌状態の羊水の中にいるため、感染の心配はない。しかし、産まれるときに産道を通る段階で、一気に細菌が付着するのだ。赤ちゃんの体内はまだ十分に免疫力が育っていないため、鉄と結合する体内のタンパク質「トランスフェリン」だけでは心もとない。そこで役立つのが、母乳である。
母乳のラクトフェリン
多くの哺乳動物の乳に含まれているタンパク質に、「ラクトフェリン」がある。乳という意味の「ラクト」と、鉄と結合するタンパク質「フェリン」から名付けられた。ラクトフェリンは、鉄と結合する力を持ち、体内で感染防御機能として働く。
・・・・・(続きは8月号をお読み下さい)
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