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サルコペニアを改善しましょう(上) 人間医学社会長 大浦純孝|月刊「人間医学」4月号より

2020年3月25日

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 サルコペニアというのは、加齢に伴って筋肉量が必要以上に減少した状態のことである。これは筋肉(サルコ)が減少(ぺニア)するという意味のギリシャ語に由来する。
 サルコペニアは65歳以上の高齢者に多く、特に75歳以上になると急に増えてくる。サルコペニアになると、筋力の低下により歩く速度が遅くなり、徐々に着替えや入浴などの日常生活動作も困難になってくる。すると体を支える筋力が低下するため、転倒や骨折の危険性も増えてくる。その結果、介護が必要になったり、寝たきりにつながったりすることもある。
 サルコペニアの診断は、筋肉量、歩行速度、握力を測定して行なうが、ふくらはぎの筋肉の太さを調べる「指輪っかテスト」により自分でチェックすることもできる。
①椅子に座り、両足を床につける。
②前かがみになり、利き足でない方のふくらはぎの一番太い部分を、両手の親指を人差し指で囲む。
③指先とふくらはぎの間に隙間ができているかどうかを調べる。 
 その結果、指が届かないくらいふくらはぎが太ければ大丈夫。ある研究によると、指同士がつかない場合を1倍とした場合、ちょうど囲める場合は2.4倍、隙間ができてしまう場合は6.6倍サルコペニアの可能性が高いとされている。
 栄養失調状態
 サルコペニアの原因は加齢のほか、栄養障害や疾患などが考えられている。特に高齢者のサルコペニアの大きな原因の1つが栄養失調である。
 高齢になると毎日の食事が簡単に済むものに偏りがちになることが要因と考えられる。たとえば、麺類とご飯や、パンとお菓子のみなど炭水化物に偏った食事や、惣菜とご飯だけといった食事は栄養失調状態になる。
 栄養失調によるサルコペニアを予防するには、三大栄養素(糖質、タンパク質、脂質)をバランスよく摂ることが基本となる。具体的には、糖質50~60%、タンパク質20~25%、脂質20~25%を摂らないと、栄養失調状態になる。若いときは少々バランスが悪くても予備能力があり、栄養失調になりにくいが、年をとるとそうはいかない。現在、70歳以上の5人に1人が栄養失調状態だといわれる。
 タンパク質を摂る
 三大栄養素の中でもサルコペニアの予防にとって重要なのがタンパク質である。タンパク質は英語で「プロテイン」というが、これはギリシャ語で「第一のもの」という意味の言葉から生まれたものである。
 タンパク質は骨格筋や心筋をはじめ、体の約20%以上を構成する材料であり、細胞の働きにも重要な役目を果たしている。細胞内のタンパク質は、その機能が終了すると速やかに分解される。平均2日で約半分が新しいタンパク質に置きかわり、そのうち約70%は再利用され、約30%が排泄される。そこで排泄される分のタンパク質は毎日の食事で補う必要がある。
 最近、高齢者は肉や魚などの動物性タンパク質を積極的に多く摂るようにすすめられている。しかし注意しないといけないのは、肉100gを食べるとタンパク質が100g摂取できるわけではない。実際には、肉や魚には水分が多いのでタンパク質は約20%とそれほど多くないばかりか、肉や魚には脂肪が多いので食べすぎには注意が必要である。
 日本人のタンパク質の推奨量は、1日に成人男性が平均60g、成人女性が50gである。これを毎日の食事でいろいろな食べ物から摂るのがよい。たとえば、アジの塩焼き(120g)には約24g、卵(1個)12g、豆腐(1丁)18g、納豆(100g)16.5g、チーズ(100g)22gが含まれている。
 主食の白米(100g)にも3.75g、玄米(100g)には4.2gが含まれているので、これに副食を合わせれば1日のタンパク質の推奨量は達成できる。しかし、麺類のみとかパンと牛乳だけの食事を続けていると、タンパク質不足に陥ることになる。
・・・・・(続きは4月号をお読み下さい)

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