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月刊誌「人間医学」ピックアップ記事

肺炎に気をつけましょう(上)人間医学社会長 大浦純孝|月刊「人間医学」1月号より

2019年12月25日

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 漢方では秋は「肺」が弱りやすいといわれる。秋は日々の寒暖の差が大きく、空気が乾燥し、天候がめまぐるしく変化するため、自律神経が乱れて風邪をひきやすくなる。また、寒くなるとインフルエンザが流行する。特に持病のある高齢者が風邪やインフルエンザをひいて上気道に炎症が起こると、病原菌が気管支から肺の奥に入りやすくなり、炎症がひどくなって肺炎を起こすことが多い。
 肺炎は、ガン、心疾患、老衰、脳血管疾患に次いで、日本人の死因の第5位である(2018年厚生労働省)。このうち90%以上が65歳以上の高齢者で、特に入院中や介護を受けている人に多く発症する。なかでも多いのが誤嚥によって起こる「誤嚥性肺炎」である。詳しくは次号で述べるが、75歳以上の高齢者の肺炎の70%以上に誤嚥が関係しているとされている。
開放型の器官
 肺は外界に開放された器官である。肝臓や腎臓、膵臓などは閉じていて、外から取り込んだものがそのままの形で入ってくることはない。ところが肺には鼻から吸った空気が気道(ノド、気管、気管支)を通って直接入ってくる。そのため、肺には空気と一緒にさまざまな異物(ほこり、化学物質、細菌、ウイルスなど)が入ってくるが、体にはこれを防御する仕組みが備わっている。
 まず、鼻毛や鼻粘膜、ノドの粘膜で大きな異物を捕らえる。そこで捕らえられなかった小さな異物が気道に入ると、咳やくしゃみをして外に出そうとする。
 それでも残った微細な異物は気道の粘膜に捕らえられて、痰として排出される。気道の内面には無数の線毛が生えており、これらが外へ外へとなびく運動(1分間に1500回くらい)をしていて、痰を外へ運んでいる。
 しかし、疲労やストレスなどによって免疫力が低下し、風邪やインフルエンザにかかると、気道の線毛運動にダメージを与え、鈍らせたり、停止させたりする。結果、病原微生物は排除されずに、そのまま気道にとどまりやすくなる。そうして肺の奥の“肺胞”にまで侵入して増殖し、炎症を起こす。これが肺炎である。
 肺には血液からも異物が入ってくる。虫歯の治療や骨折の後などに、肺の病気になることがある。それは歯肉に入り込んだ細菌や、骨折のときに骨から流出した脂肪などが静脈血の中に入って、肺の毛細血管に流れ込んでくるからだ。
 肺は空気を取り込んで、最終的には血液との間で酸素や二酸化炭素をやり取りしている。肺には全身に行きわたった血液が100%流れ込んでくる。その中の異物を処理することも肺の重要な仕事である。肺は静脈血のフィルターとしての役割も果たしている。異物を処理しきれない場合、肺炎が起こったり血液に障害が生じたりする。・・・・・(続きは1月号をお読み下さい)
 
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