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甲状腺は大切(上)人間医学社会長 大浦純孝|月刊「人間医学」12月号より

2019年11月25日

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 甲状腺の病気を患っている人は多い。しかし、甲状腺の異常と体に現われる症状との因果関係がわかりにくいこともあって、適切な治療を受けていない人が少なくない。体の不調で悩んでいる人が、よく調べてみると甲状腺の異常が原因だったというケースは多いようである。
甲状腺ホルモン
 甲状腺は、のど仏(甲状軟骨)の少し下あたりにある。重さ15〜20gの臓器で、蝶が羽を広げて気管を包み込むような形をしており、右の右葉、左の左葉、中間の峡部で構成されている。
 体内でホルモンをつくり、それを必要とする臓器や細胞へ届けるシステムが「内分泌系」であるが、甲状腺は最も大きな内分泌器官で、甲状腺は「甲状腺ホルモン」をつくっている。
 甲状腺ホルモンの役割は、胎児期には細胞の分化を促し、成長期には脳や神経を発達させ、骨の成長を促進している。また、栄養素(糖質、タンパク質、脂質など)を分解して、生きるために必要なエネルギーをつくり出し、体温を適切に保つなど、重要な働きをしている。
 さらには、脳、心臓、肝臓から骨や筋肉、そして精神・神経系に至るまで、甲状腺ホルモンは全身の臓器や細胞に広範囲に作用する。つまり、甲状腺ホルモンは我々が元気に過ごすための“源”ともいえるホルモンである。
環境ホルモン
 甲状腺ホルモンは、昆布やわかめなどの海藻類に多く含まれる「ヨウ素」(ヨード)を原料にして、甲状腺の細胞でつくられている。もともと海藻類をよく食べる日本人には、ヨウ素不足の心配はないといわれてきた。しかし近年、日本人でもヨウ素が不足する人が増えてきたという報告がある。おそらく、昆布から出汁をとる人が減ったり、海藻を食べる量が減っていることが考えられる。
 ヨウ素不足は内分泌撹乱物質ともいわれる「環境ホルモン」の影響によっても起こるようだ。環境ホルモンというのは、体内に取り込まれるとホルモン様作用をしたり、逆に体内のホルモンの作用を阻害したりする化学物質のことで、もともと自然界に存在していないものである。
 具体的には、大気汚染物質であるPM2.5やダイオキシン、着色料や保存料といった食品添加物、シャンプーやリンス、化粧品、洗剤、柔軟剤、制汗スプレー、消臭スプレー、殺虫剤など、化学物質が添加されているものには環境ホルモンが含まれていることが多い。これらの環境ホルモンにはヨウ素の吸収を阻害するものがある。
 カット野菜にも注意が必要である。コンビニのサラダやスーパーで売られているカット済みのサラダ野菜などは、次亜塩素酸ナトリウムを使って消毒しているものが多い。次亜塩素酸ナトリウムの塩素は“ハロゲン化物”と呼ばれる物質である。ハロゲン化物にはフッ素や臭素などがあり、これらにはヨウ素と拮抗する作用がある。そのためカット野菜を常に食べていると甲状腺機能低下を招くことになる。
 女性は男性に比べて、甲状腺や副腎が疲れやすいところがある。環境ホルモンの影響を受けやすく、結果的に副腎が疲れてしまう。
 ところで、副腎疲労に陥っている人には腸漏れ症候群とも呼ばれる「リーキーガット症候群」(後述)を併発している人がとても多いと考えられている。食べ物に入っているエストロゲン様(女性ホルモンのエストロゲンに似た働きを持つもの)の環境ホルモンが腸に空いた微細な隙間から侵入し、血液の中に入り込む。エストロゲンは免疫寛容(リンパ球の自己組織への炎症反応を抑制する働き)をつくる物質を低下させることで、自己免疫疾患の発症に深く関与すると考えられている。・・・・・(続きは12月号をお読み下さい)
 
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