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口腔機能低下症|月刊「人間医学」3月号より

2019年2月25日

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 昨年の春から歯科に導入されてきた保険病名に“口腔機能低下症”というものがある。口腔のさまざまな機能が低下してくる65歳以上の高齢者に対して使われる病名だ。
 口腔機能低下症とは、オーラルフレイル(滑舌低下、わずかなむせ、噛めない食品の増加を特徴とする)がさらに進行して、疾患とみなされるようになった状態を指す。
 口腔乾燥や低舌圧、嚥下機能低下など、評価項目が3つ以上複合している病態を指し、治療手段によって重症化を防ぐことが可能になった。ちなみに、重症化とは摂食嚥下障害ならびに咀嚼障害がみられる口腔機能障害とみなされ、専門的な対応が必要となる。
 口腔機能障害は最後の段階で、全身的な健康を損なうため、早めに気づいて適切な対応をとることが求められている。
 オーラルフレイル、口腔機能低下症というのは、身体フレイル、サルコペニアが起こる前の段階で、すでに起きていると考えられている。サルコペニアが筋肉量減少を主体として筋力、身体機能の低下を主要因として扱うのに対して、フレイルには移動能力、筋バランス、運動処理能力、認知機能、栄養状態、持久力、日常生活の活動性、疲労感など、広範な要素が含まれている。
 このフレイルに対して、現在は「人参養栄湯」という漢方薬がかなり研究されている。こうした研究からも明らかなように、栄養・運動といった生活指導と合わせて漢方を取り入れることで、口腔の健康のみならず全身の健康を高めようという取り組みが行なわれつつある。
 じっさい、口腔乾燥に対して腎虚(先天の気が不足した状態)という捉え方で「六味丸」や「八味丸」といった処方や、気虚、気血両虚の面から「補中益気湯」や「十全大補湯」といった補剤が使われている。
 ところで、六味丸や八味丸は腎虚に対する代表的な処方として有名であるが、日本人には胃もたれを起こしやすいという欠点がある。その欠点を改良したものが漢方系食品である「亀齢寿」だ。潤す作用に優れ、こもった熱を鎮め、腎精(生命活動を維持するためのもの)を補充する働きがある。しかも、胃もたれを起こさないという利点をもっている。そうでなくても高齢者は食欲が低下しがちだから、薬剤によって胃もたれを起こすようでは問題である。
 高齢者は虫歯や歯周病、義歯不適合などの口腔の要因に加えて、加齢や全身疾患によっても口腔機能は低下しやすくなっている。低栄養や薬剤の副作用などがあれば、なおさらだ。口腔機能を高めることは今後ますます重要になってくるだろう。“病は口から”である。
  
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