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逆流性食道炎|月刊「人間医学」2月号より

2019年1月25日

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 逆流性食道炎の人の30%は、細菌の発酵によって生じる水素ガスが増えている人だという説がある。そう指摘されるのは江田クリニックの江田証院長だ。
 最近の傾向としては、胸焼けする人に対し逆流性食道炎と診断し、胃酸の分泌を抑える薬が処方されている。それも強力に胃酸を抑える薬が使われている。
 ところが、胃酸の分泌を抑える薬を飲んでも改善しないばかりか、ゲップが多くなったり、お腹が張ったり、吐き気がするような人がいる。
 この20年で日本人の胃酸分泌能は約2倍に増えている、というデータがある。これは成長期に消化に時間がかかる脂肪分の多い食事をしていると、胃酸がたくさん出るような体質になるからであろうと考えられている。そのうえ年をとると逆流防止弁ともいうべき食道下部括約筋が緩みがちとなる。
 こうしたことから胃酸の分泌を抑える薬が必要以上に処方されるようになった。本来、胃酸には小腸の中で細菌が増え過ぎないように調節する大切な働きがある。胃酸が雑菌を殺し、小腸の中の菌の量を減らしてくれているのだ。また、タンパク質や炭水化物の消化も助けてくれている。
 ところが、逆流性食道炎の治療では胃酸の分泌を強力に抑える薬が処方される。胃酸の分泌が抑えられると、人によっては小腸内の雑菌を殺すことができなくなってしまう。胃酸の分泌が抑えられると、食欲が出なくなるだけでなく、未消化のタンパク質や炭水化物が腸内に停滞することになる。とくに未消化の炭水化物は小腸内の細菌のエサとなって、あっという間に発酵する。発酵すると、その副産物として水素ガスが発生する。小腸の中でできたガスは小腸から胃まで逆流し、ゲップの原因となったり、お腹が張ってパンパンになったりする。その結果、腹腔内の圧力が高まって食道へ胃酸を押し上げ、逆流性食道炎を引き起こすことがある、と江田院長は説明されている。
 小腸の中で腸内細菌が爆発的に増えてしまう病気を「SIBO」(小腸内細菌増殖症)と呼び、欧米では今、脚光を浴びているそうだ。SIBOにかかると、頑固な便秘や下痢、腹痛、おなら、お腹のゴロゴロした違和感などに悩まされるようだが、これはまさに過敏性腸症候群の症状と同じである。じっさい過敏性腸症候群と考えられてきた患者さんのなんと85%は、よく調べるとSIBOだったことが報告されている。
 高齢になればなるほど、SIBOになるリスクは高まると考えられている。それは胃酸の減少と関係しているだろう。適度な胃酸は体にとって大切なものである。胃酸の分泌を抑える薬でさらに逆流性食道炎がひどくなるとは、なんとも皮肉な話である。 
  
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