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女性と男性|月刊「人間医学」7月号より

2018年6月25日

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 心筋梗塞と聞くと「尋常じゃない痛み」を想像してしまう。しかし、これは主に男性の患者が訴える典型的な症状だという。女性の場合は放散痛というか、歯や顎の痛みとか、左肩の痛み、みぞおちの痛みといった心臓から離れたところに感じる痛みとして現われることが多いようだ。
 ところが、閉経後の女性にも典型的な心筋梗塞が起こることがある。これは急激に動脈硬化が進行することに原因がある。このような狭心症を経ないで起こる心筋梗塞は重症であることが知られている。これは男性でも同じようだ。
 心筋梗塞を起こした人を、心筋梗塞を起こす前に狭心症があったか、それとも初めての胸痛発作で心筋梗塞になったかで分けると、もともと狭心症があった人の方がひどいと思われがちだが、じつは初めての発作で心筋梗塞になった人の方が重症だとされている。
 東京医科歯科大学大学院の古川哲史教授は、狭心症をくり返して起こしていると、心臓がこれに対抗するような手段を講じるので、ひとたび心筋梗塞が起こっても軽く済むのです、と説明されている。
 さらに、病的刺激でも軽症のもの、短時間のものは生体にとって却って良い影響を及ぼすのではないか、とも述べられている。
 男性の場合、心筋梗塞は左胸の尋常でない痛みで発症することが多いが、女性の場合は放散痛で発症する人が一定の割合でいる。
 また男性では冠動脈の一部に動脈硬化ができ、極端に狭くなっているが、女性の場合は一ヵ所が狭くなるのではなく、全体が軽度に狭くなっていることが観察されている。
 さらには女性の場合、直径が0.1㎜以下の細い血管に起こることが多く、一般的な狭心症と区別して微小血管狭心症と呼ばれる。
 男性が引き起こすような典型的な症状がみられないことから、以前は心臓神経症と呼ばれることがあったようだ。どちらかというと精神的なもので、冠動脈の狭窄によるものではないと考えられていた。狭心症の特効薬であるニトログリセリンが微小血管狭心症にはあまり効果がないことから、本物の狭心症とは違う病態だとみなされていたのである。
 このように男性と女性とでは一口に狭心症といっても、その病態も違えば、その治療法も違うことから性差医療の必要性が叫ばれるようになってきた。
 性差といえば寿命にも性差がみられることはよく知られている。50歳までは性差がみられないにもかかわらず、それ以降は寿命曲線に明らかな男女差がみられようになってくる。
 それは女性ホルモンは血管保護作用が強く、ストレスに対して身を守る能力にも優れた力を発揮することが関係しているのだろう。
   
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