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排除食|月刊「人間医学」6月号より

2017年5月25日

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 少し前だが、体についた脂肪を減らすには脂肪の摂取を減らす低脂肪食と、炭水化物の摂取を減らす低炭水化物食のどちらが有効かを調べた研究結果を紹介したことがある。この研究では低脂肪食は低炭水化物食とくらべて体内の脂肪が1.7倍多く落ちることを紹介したのだが、じつはもう一つ面白い研究結果が出たのである(3月号6頁)。
 それは体重に関するもので、低炭水化物食のほうが体重が減るという結果だった。その理由として研究者らがあげているのは、炭水化物は水と結びつく性質があるので、炭水化物の摂取を減らすと、それにつれて体内の水分が減るからではないか、というものである。
 それでなくても人間の体は年を重ねるにつれて水分は減っていくものである。新生児は約75%、子供では約70%、成人では60〜65%、高齢者では50〜55%が水分と見積もられている。
 成人の体重の約60%の水分のうち約40%は細胞の中に細胞内液として存在し、残りの20%は組織液、血漿、リンパ、髄液、体腔内液といった細胞外液として存在している。そうした中で、体全体の水分の約10%が失われると、人間は健康障害を起こし、約20%が失われると死に至るのである。
 水は生命活動の基盤になっており、水無しでは生体機能は成り立たないのだから、機能を損ないかねない水分の喪失は致命的なものとなってしまうだろう。
 今やテレビも雑誌も、コマーシャルの大半はダイエット関連だ。
 そこでとりあげられるのが「糖質を摂らない」「油脂類を摂らない」といった極端な制限食である。しかし、糖質にしろ油脂類にしろ、これらは大切なエネルギー源のはずだ。それらを摂らないようにしたら、体を動かすエネルギー源が急激に減少するわけだから、それを補うために体内に蓄積されたタンパク質や糖質、脂肪分などがエネルギー源として使われることになる。それは体内栄養貯蓄をとり崩すことに他ならないから、貯蓄不足を引き起こすことになるのは当然だろう。栄養貯蓄が減れば体力は低下し、感染症にもかかりやすくなるのである。
 そもそも制限食は病気の治療に対して応急的にとられるべき性質のものであるはずだ。それを健康な人にも応用して、そのリスクはどうなのであろうか。
 むしろ「ヒトが極端に制限して体が対応できるのでしょうか」と述べる魚柄仁之助さんのほうがまともな考え方だと思う。自分の食生活を振り返ってみて「糖分の摂りすぎだよね」と感じたら、糖分を「少し制限」するのがまともな制限食であって、「一切摂らない」のは排除食だと魚柄さんは述べている。
 
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