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安全な食料|月刊「人間医学」9月号より

2016年8月25日

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 現在、牛肉にかかる関税は三八・五%であるが、TTPが発動した場合、まず二七・五%に引き下げられ、その後は段階的に引き下げをくり返し、十六年目には九%になるとみられている。
 こうして安価なアメリカ産やオーストラリア産の牛肉が大量に輸入されるようになることが予想される。食料品に安さを追求しつづけることは健康面でのリスクを引き受けることにもつながるのである。これらの牛肉の一部には日本では使用が認可されていない成長ホルモン(エストロゲンなど)が使用されているからだ。
 東京大学大学院の鈴木宣弘教授の著書には、北海道の医師による検査でアメリカ産の牛肉には国産牛に比べて六〇〇倍のエストロゲンが入っていた、との報告事例が紹介されている。
 欧州連合(EU)では国内での使用も禁止し、成長ホルモンが入っているアメリカ産牛肉の輸入も拒否している。EUがオーストラリア産牛肉を拒否していないのは、EU向けのオーストラリア産牛肉には成長ホルモンを使用せず、それを証明しているからである。しかし、日本に輸入されるオーストラリア産牛肉には、特別な場合を除き成長ホルモンが入っていることを監督官庁が認めている。
 EUでは一九八九年にアメリカ産牛肉を禁輸にしてから二〇〇六年までに、乳ガン死亡率がアイルランドで四四・五%減、イングランドおよびウェールズで三四・九%減、スペインで二六・八%減、ノルウェーで二四・三%減になったことが報告されている。
 中年以降のガン年齢になると、成長過程に必要な成長因子やホルモンはガンを促進させる作用があることが懸念されている。
 すなわち男性ホルモンや女性ホルモン、成長因子や増殖因子のような成長や発育に必要な因子は全て、ガン年齢になるとガン細胞の増殖を促進する側に加担するからである。じっさいインスリン様成長因子(IGF‐1)の血中濃度の高い男性の場合、前立腺ガンの発現率が一〇〇〇倍に、女性の場合は乳ガンの発症率が七倍になる、という論文が『サイエンス』と『ランセット』で発表された。
 アメリカでは一九九四年以来、乳牛の乳量増加効果がある遺伝子組み換え成長ホルモン「rBST」を乳牛に注射している。rBSTを注射された牛が生産する牛乳・乳製品にはIGF‐1が増加することが明らかになっている。
 日本ではrBSTは使用認可されていないにもかかわらず、アメリカからの輸入によってrBST使用乳は港を素通りして、消費者はそれとは知らずに食べていることに鈴木教授は警鐘を鳴らされている。 
 
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