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歯周病|月刊「人間医学」10月号より

2015年9月25日

9歯周病はプラーク(歯垢)の中の歯周病菌による慢性感染症である。
 わずか一㎎のプラークには十億個もの細菌が棲みついているといわれている。
 プラークはものを食べたり飲んだりするたびに、歯や歯肉に付着する。
 毎日しっかりとブラッシングなどでケアしていると、除去することができるのだろうが、
ブラッシングを怠ったり、磨き残しがあったりすると、時間とともにプラークの中の細菌が増殖を始める。
 およそ四八時間後にはバイオフィルムという薄い膜をつくって増殖力を強め、
二週間後には口の中のカルシウムと結合して石灰化し、歯石となっていく。
 成人の八割以上が歯周病にかかっているというデータがあるが、
じつは歯周病は様々な生活習慣病と関連があることが主に歯科の先生方から報告されている。
 たとえば糖尿病や脂肪肝、冠動脈疾患などである。
 糖尿病は血管系の病気だから血管障害は歯肉の毛細血管にも影響し、歯周病の症状を悪化させる。
 同時に糖尿病では免疫力が低下するため、歯周病菌の増殖を抑えられなくなる。
 逆に、歯周病の炎症のある組織から産生される炎症性サイトカインは、歯肉の毛細血管から血液中に入り込み、
血糖値を下げるインスリンの働きを阻害することが明らかになっている。
 こうしてインスリンが効きづらくなるインスリン抵抗性の状態になると、膵臓はだんだん疲労して、
ついにはインスリンが分泌されなくなる。
 だが、これは裏を返せば「歯周病をコントロールすることで糖尿病が改善する」という推論が成り立つ、
と述べるのは栗原クリニック東京の栗原毅院長だ。
 じっさい食事療法や運動療法、生活習慣の改善、そして薬剤によってもなかなか改善できなかった糖尿病患者が、
歯周病の改善をきっかけとしてヘモグロビンA1cが改善していく例をいくつか報告されている。
 東京医科歯科大学の試験でも同様の結果が得られたが、いずれのケースでもよく反応する例と、
そうでない例がみられたのである。
 その差は肝臓病の有無にある、と栗原院長は説明されている。
 とくに脂肪肝が糖尿病の原因になるという考えである。脂肪肝はインスリン抵抗性を招くからだ。
 大阪大学と横浜市立大学の共同研究チームが、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の患者さんは
歯周病にかかっている割合が健康な人の約四倍も高いことを突き止め、歯周病を治療することで
肝機能が大幅に改善することを報告している。
 「芸能人は歯が命」というCMがあったが、これは芸能人に限られたことではないのである。
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