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骨は若さを保つ|月刊「人間医学」7月号より

2019年6月25日

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 人の体を支えている骨格は約200個の骨からつくられている。ほとんど変化のないように見える骨は、じつは日々生まれ変わっている。それは体がどんどん大きくなる成長期だけでなく、成人してからも骨は生まれ変わり、生涯にわたってくり返される。
 骨は生まれ変わることにより、しなやかさと強さをとり戻すのである。「破骨細胞」が骨を溶かしていくと、「骨芽細胞」がやってきて新たに骨を形成していく。
 破骨細胞は骨髄でつくられる血液細胞が骨の中で変化してできる細胞で、古くなった骨のカルシウムやコラーゲンを酸や酵素で溶かす働きを担っている。
 一方、骨芽細胞は、破骨細胞が骨を壊したことによってできた骨の穴に集まり、コラーゲンなどを分泌し、そこにリン酸カルシウムが沈着して修復される。役目を終えた骨芽細胞の一部は骨の中に入って「骨細胞」になり、残りは骨の表面で休止状態になる。
 骨細胞はひとつひとつが細長い突起を何10本も広げ、隣の細胞としっかりと結びつき、網の目をつくり、骨の隅々まで広がっている。これら3種類の細胞は、互いにメッセージ物質を出し合って、骨の内部でネットワークをつくっているようだ。
 骨細胞が出すメッセージ物質「スクレロスチン」は骨芽細胞に働きかけ、骨の形成にブレーキをかける役目をしている。骨細胞はこの物質によって骨の全体量をコントロールしているのだ。骨細胞は硬い組織の中に張り巡らせた網の目で衝撃を感じとるセンサーとして働いているようだ。走ったり跳んだりすると、骨に衝撃が加わり、歪みが生まれる。この歪みを骨細胞の網目が検知し、スクレロスチンの放出量を変えるのである。
 骨細胞が出すメッセージ物質には「オステオカルシン」というものもある。オステオカルシンは膵臓や腸、肝臓、脂肪などの臓器に働きかけて、インスリンやインクレチンといった糖尿病の発症に影響するメッセージ物質を変化させ、結果的に糖尿病を起きにくくする方向に働くと考えられている。
 オステオカルシンは脳で記憶を司る海馬にも働いて記憶力をアップさせる効果も期待されている。その他、筋力、精力を増強する働きもあることから、オステオカルシンは「若さを保って!」というメッセージ物質として働いているのだろう、と発見者のジェラール・カーセンティ博士(米コロンビア大学)は述べられている。
 骨が衝撃を検知すると、オステオカルシンなど若さを保つメッセージ物質が出てくる。「それは進化の過程で活動的な個体を生き残らせるためだ」と、NHKの取材に対してカーセンティ博士は述べられている。
 全身の若さを保つという骨の働きも、骨への刺激が多いほど高まるようだ。
  
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