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味噌汁と高血圧|月刊「人間医学」6月号より

2018年5月25日

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 味噌は煮た大豆に麹や食塩を加えて発酵させて熟成させたもので、麹は蒸した米や麦などの穀類に麹菌を繁殖させたものである。麹菌のもつ酵素は原料の米や小麦に含まれるでん粉や、大豆に含まれる多糖類を分解する。分解によってできた糖は微生物の栄養源になり、麹以外にも乳酸菌や酵母菌などが生育する。生育した微生物は原料の成分をさまざまに変化させ、旨味や酸味、甘味などの味成分、アルコール類やエステル類などの芳香成分をつくる。
 ところで、日本の食卓の理想形ともされてきた一汁三菜の一汁は味噌汁だ。食卓に占める味噌汁のポジションはかなり高いものと思われる。湯気の立った温かい味噌汁を見ると、多くの日本人は家庭の団らんの風景を思い出して、気分もリラックスする。
 ところが、日本高血圧学会を中心とした多くの医師が塩分と高血圧の関係を問題視するあまりに、味噌汁の摂取に対してまで制限を加えようとしてきたのである。
 中年男性、それも高血圧が検診で指摘されると、きまって塩分の制限が言い渡され、その摂取源となる味噌汁の飲用回数を減らすよう指導される。
 だが、そこには大きな誤解がある。専門家たちには味噌汁を飲むほど血圧が上昇傾向になるという前提があるようだが、はたしてそれが正しいのかどうか、はなはだ疑問である。
 というのは、味噌汁を飲んでいると、食塩をたくさん摂っても腎臓から食塩が排泄されやすくなり、血圧があまり上がらないことが分かったからだ。
 食塩摂取で起こる血圧の上昇は腎臓に問題があることが分かっている。すなわち、食塩感受性の人では腎臓での食塩の排泄がスムーズにいかず、食塩が体に溜まり、体液量の増加、それに伴う心臓からの血液拍出量の増加で血圧が上昇するのである。
 それが、味噌汁摂取では腎臓での食塩の再吸収が抑制されることによって、体に溜まりにくくなるのだ。
 つまり、食塩感受性が食塩抵抗性(食塩摂取量を増加させても血圧が上昇しない)に変わるということである。
 いま高齢者で問題になっているのが、食事の味が薄すぎて美味しくないということである。そのため低栄養状態に陥っている人がとても多いことが問題になっている。ある程度しっかりとした味付けをして、必要な栄養量を確保するということが、高齢者の健康を保つ上ではとても重要である。
 そこで推奨されるのが味噌汁だ。味がよくて食欲がすすみ、それでいて食塩抵抗性をもたらす味噌汁は肥満、糖尿病、動脈硬化などの予防・改善に欠かせない食べ物である。

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