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時間制限食|月刊「人間医学」12月号より

2017年11月25日

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 規則正しい食生活は一般的に健康に資すると考えられている。決まった時間帯に食べることは、バラバラな時間帯に食べるよりは健康的であろうという見解には異論がないと思う。
 ここに時間制限食という考え方が出てきた。時間制限食とは「食べてよい時間の範囲を定める食事」を指している。
 一般的には時間制限食では「食べてもよい時間帯」を連続した12時間以内に設定している。しかも、その連続した12時間というのは活動時間帯に限定されている。たとえば、朝7時、正午、夜6時という12時間弱の活動時間帯に食べるということである。
 なぜ活動時間帯に食べるのかというと、安静時間帯に時間制限食を行なうと、末梢時計の概日リズムと中枢時計の概日リズムが乖離(離れること)してしまうからだと考えられている。
 ところで、概日リズムとはおよそ1日のリズムという意味である。体内で自発的に生じるリズムの周期は正確には1日ではない。その長さは人により異なり、多くの人は24時間より少し長いと考えられている。
 体内には概日リズムをつくりだす時計が備わっており、そのセンター、つまり中枢時計は脳の視交叉上核と呼ばれるところにある。中枢時計は脳の網膜から得た明暗に関わる情報をもとに、時計の針を進めたり遅くしたりして調節している。
 その後、体内時計はすべての臓器や細胞にあることが分かってきて、腸や肝臓、脂肪組織や、それを構成している細胞にも時計が備わっていることが明らかとなった。これを末梢時計という。
 さて、中枢時計はある程度は末梢時計を支配しているが、その支配はさほど強くなく、末梢時計はかなり自立・自律性をもっている。そのためか、太陽の明暗よりも食事のタイミングの影響が強いようである。それだけではない。飽和脂肪酸(動物性脂肪)に富む洋食や過食なども概日リズムを乱すことが明らかになってきたのである。
 夜シフト勤務や残業に限らず、夜遅くの食事は概日リズムを乱す。概日リズムが乱れると空腹感が強まり、食べ過ぎが助長され、Ⅱ型糖尿病や心血管疾患のリスクが高まる。
 作田英成博士は、mTORと呼ばれる老化酵素と概日リズムの関係を指摘されている。mTORはタンパク合成や成長を促す経路を制御しているのだが、カロリー制限と概日リズムの強化は、ともにこの老化酵素を抑え、これにより老化を遅らせるというのだ。
 早寝早起きや朝のラジオ体操、腹八分目の食事は、中枢時計や末梢時計の概日リズムの強化に役立つ。食事のタイミングや内容を適切にすると、末梢時計の概日リズムは強まるのである。反対に、宴会や晴れの食事がつづくと、老化を促進することになる。
  
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