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骨粗鬆症と牛乳|月刊「人間医学」3月号より

2017年2月25日

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 「十代のときにコップ一杯の牛乳を飲むごとに大腿骨骨折のリスクが九%ずつ増加する」というデータを小児科医の本間真二郎医師が紹介されている。これはハーバード大学による約10万人を22年間追跡調査した最新の研究結果だ。
 日本人のカルシウム摂取量は米国人の約半分だが、骨粗鬆症の発症率は米国人のほうが二倍高い。手足の骨を骨折する人の割合でみると、日本人を含むアジア人は欧米白人の1/2〜2/3であることが明らかになっている。
 さらに極めつけは、カルシウムの摂取量を国・地域ごとに比較したところ、米国、ニュージーランド、スウェーデンなど一日当たりのカルシウム摂取量が多い国ほど、大腿骨頸部骨折を起こす人の割合が高い傾向がみられたのである。大腿骨頸部骨折は寝たきりの原因として非常に多くみられるものだ。
 こうした欧米で行なわれる研究は、カルシウムを乳製品もしくはサプリメントから摂取することを前提にしている。それに対し、日本人のカルシウム供給源は緑黄色野菜や海藻、小魚といった食材で、さらには骨からのカルシウムの流出を抑えるイソフラボンを含む大豆や大豆製品を摂るのが一般的だった。
 日本で骨粗鬆症が少ない背景には遺伝的素因に加えて、こうした食生活が大きく影響しているはずである。
 牛乳には大量のカルシウムが含まれているにもかかわらず、牛乳をとればとるほど骨がもろくなるというデータだが、そこにはどのような理由があるのだろうか。
 本間医師はその理由として次の二つを考えられている。
①牛乳にはリンが比較的多く含まれているため、カルシウムが排出される。リンが多いと  カルシウムの吸収を妨げたり、排出されたりするため、これを補うために骨からカルシウムが溶け出すことになる。
②砂糖の摂取により低血糖が起こるのと同じで、牛乳に含まれる大量のカルシウムの摂取 はカルシウムの排出を促し、排出しすぎることにより骨からカルシウムが失われる。

 牛乳や人間の母乳というのは、生まれて間もない時期に与えられる食事である。牛乳を飲むとインスリンやインスリン様成長因子(IGF‐1)が増えて体の成長や発育が促進されることから牛乳がすすめられたのだろう。しかし、インスリンやIGF‐1はガン細胞の増殖を促進する作用があるから、中年以降のガン年齢になるとガン細胞の増殖を促進する側に加担するようになる。成長に役立つ栄養効果の高い食品はガン年齢の人々が摂取してよいとは限らないのである。

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