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富栄養化現象|月刊「人間医学」5月号より

2016年4月25日

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 きれいな水の湖に生活排水が流れ込むことで水中の養分が過剰になり、きれいな飲料水も、そこに棲む魚も死に絶えてしまう事例があちこちで報告されたことは記憶に新しい。
 いわゆる富栄養化といわれる現象だ。
 養分が過剰になると、藻類の繁殖は加速される。藻類が異常発生すると日光が遮られて水中に届かなくなり、光合成ができず酸素が生まれない。さらに死滅した藻類の残骸が沈んで腐ると、分解のために水中の酸素が使われて激減し、水中に棲む生物は酸欠状態に陥ってしまう。
 結果、水面にはぬるぬるした緑色の膜が張り、魚は死に絶え、藻類以外は生存できない湖となってしまう。リン酸系洗剤を含む廃水は養分が多いぶん、被害も大きい。食べ残し、肥料、人や動物の排泄物など、リンは様々な形態をとりながら川などから湖に流れ込んでくる。過剰すぎる栄養がこうした問題を発生させるのである。
 ヒトも同じだ。過剰な脂肪やタンパク質、糖質を摂り過ぎることで、消化管における最終段階の場所、大腸で富栄養化現象が起こる。
 我々が食べたものの栄養素のほとんどは小腸で吸収される。小腸には絨毛があり、この絨毛で栄養素を吸収するのである。それに対し、大腸には絨毛が無いことから、水とビタミンくらいしか吸収できないとされている。
 江田証医師が指摘されていることだが、若くて元気な小腸は余すことなく栄養分を吸収してくれるので、大腸に食べものが届く時には、もう栄養分はほぼ吸収され尽くして絞りかすになっている。
 ところが年齢を重ねるにつれ、小腸は栄養分を吸収する力が衰えてくる。つまり、若くて小腸に吸収力があった時には大腸に届かなかったような栄養素が大腸に届くようになってしまうのである。
 かくして過剰な栄養物が大腸に届くことで異常な発酵が起き、腸内細菌が大きく変化してしまうようだ。当然、それらの腸内細菌がつくる代謝産物も体にとってよくないものに変わっていく。例えば、赤身肉に含まれるホスファチジルコリンは、体内に入ると腸内細菌によって代謝されて、トリメチルアミンオキサイド(TMO)を生み出す。TMO値が高くなると動脈硬化をもたらすことが分かってきた。
 ペットフードに「シニア」用があるのと同じで、人間にもシニア食が必要だ、と江田医師は主張されている。若い時と同じものを食べていると、大腸の富栄養化を起こして異常発酵を起こし、悪玉菌を増やしてしまうというのである。食べ過ぎにしても同様だ。
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