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不安感情|月刊「人間医学」3月号より

2016年2月25日

9日本人は調査が行なわれている世界の国の中ではもっともセロトニンを使いにくい脳をもった民族なんです、
と述べるのは脳科学者の中野信子さんだ。
 セロトニンはアドレナリン、それにドーパミンと合わせて三大神経伝達物質といわれている。
快感や陶酔感を増幅するドーパミン神経回路、そして様々なストレスによって覚醒反応を引き起こすノルアドレナリン神経回路という二つの神経を抑制するのがセロトニン神経である。
つまり、興奮と不安状態を解消して心を中庸に保つ働きをもっている。そのためセロトニンの働きが弱くなると、不安やイライラが強くなると考えられている。
 女性は男性に比べて不安感情が強いといわれているが、それはこの不安感情を抑える働きのあるセロトニンの合成能力が女性では低いからだろうか。
じっさい、脳内物質セロトニンの合成能力が女性は男性の2/3ぐらいしかないそうだ。
 ところで、セロトニン合成能力が低いというのはセロトニンそのものの分泌が少ないというよりも、
セロトニントランスポーターというタンパク質が少ないことに起因する、と中野さんは説明している。
 セロトニントランスポーターというのは、神経線維の末端から出たセロトニンを再び細胞内にとり込む役割を担っているものだ。
その数が多い場合はセロトニンをたくさん使い回せるので気持ちが安定し、安心感がもてることになる。
反対に少ない場合は不安傾向が高まるわけである。このセロトニントランスポーターが少ない人が日本人には多いという事実は何を意味するのだろうか。
 ところで、セロトニントランスポーターの量は二種類の遺伝子の組み合わせが関係している、と中野さんは説明している。
 すなわち「少ない、少ない(SS)」人と、「少ない、多い(SL)」人と、「多い、多い(LL)」人の三種類があり、
日本人ではSS型とSL型とを合わせた人の割合がなんと九八%もあったそうだ。こんなに多い国は世界でも日本だけらしい。
 日本人は特殊だといわれることがあるが、それはこんなところに理由があるのかもしれない。セロトニントランスポーターの少ない遺伝子をもった人が多いのは、
進化の過程でそのような選択、淘汰が働いたからだと考えられている。
 おそらく日本では、不安が強くて慎重な人のほうが遺伝子を残しやすかったのだろう、と中野さんは述べている。
不安が強くて慎重な人というのはマイナスととられがちだが、それは欧米人のポジティブ思考を現代人は”良し”と考えるからであろう。
しかし、それが正しいとは限らないと思う。
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