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持ちつ持たれつ|月刊「人間医学」7月号より

2015年6月25日

7真夏の日射しの中に咲くヒマワリの黄色は、植物がもつ生命力を我々にまざまざと見せつけているようにさえ感じさせる。
 ヒマワリの花にはフラボノールとβ‐カロテンが含まれていて、主にβ‐カロテンが黄色~橙色の色素をもたらしているとされている。
 花は紫外線が当たることで生み出される有害な活性酸素を消去しなければならない。それは次に生まれてくるタネを守らなければならないからだ。そこで植物はさまざまな活性酸素除去物質を自前で用意する。例えばビタミンCやビタミンEだが、花ビラの色を出すもととなる色素も代表的な抗酸化物質である。β‐カロテンをはじめとするカロテノイドしかり、ポリフェノールの一種であるアントシアニンしかりである。

 花々が美しく咲きほこるのは、目立つ色で蜂や蝶などの昆虫を誘い、花粉を運んでもらい、タネをつくるためもあるが、有害な紫外線が当たる中で、これらの色素によって花の中で生まれてくる子どもを守るという大切な役目もあるからだ。
 植物は動物と違って太陽の紫外線に対して日陰に逃げ込んだり、人間のように帽子をかぶったり、日傘をさしたり、サングラスをかけたりして紫外線を避けることはできない。なにしろ夏のように灼熱の炎天下で強烈な紫外線を浴びつづけながらもすくすく成長し、美しくきれいな花を咲かせ、実やタネをつくるのだから、その抗酸化力はきわめて強力なものといわざるを得ない。
 昆虫などが花の鮮やかな色にひかれるように、我々人間も花の美しさに魅せられる。花だけではない。葉も緑色や黄色に輝いて我々の食欲をそそる。じっさいβ‐カロテンを多く含む緑黄色野菜がある。青ジソ、パセリ、ホウレンソウ、春菊、ニラ、大根葉、クレソンといったものがそうだ。我々はこうした緑黄色野菜にたっぷりと含まれる抗酸化物質を利用させてもらっているのである。

 植物は独立栄養生物といって無機化合物(二酸化炭素など)だけを炭素源とし、無機化合物または光をエネルギー源として生育する生物とされている。あらゆる生態系の食物連鎖において不可欠の存在である。
 つまり植物は自分に必要な物質を自分でつくり出すことができる。したがって植物は動物がいなくても生きていける。それにひきかえ、動物は植物を食べなければ生きていけない。たとえ肉食動物であっても同様である。
 しかし植物は動きまわれない。だから動物に実を食べてもらうことでタネをあちこちにまき散らしてもらい、生活の場を広げていく。持ちつ持たれつの関係である。これは人間社会も同様である。

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