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人工甘味料と依存症|月刊「人間医学」6月号より

2015年5月25日

6かつて人間の舌の図に味覚の分布図というのがあった。先端部は甘味、両側部は酸味、奥は苦味といった説明がついていた。しかし、現在ではこの説は否定されていることを、恥ずかしながら福岡伸一博士の本を読むまで知らなかった。

 味覚の件についてはコロンビア大学のチャールズ・ズッカー博士らの研究によって、舌の上にある味蕾の内部に五味に対するレセプターを装備した細胞がすべて用意されていることが明らかにされたのである。つまり、舌のどの部分でも五味すべての味がわかるというのだ。

 今では甘味レセプターは舌だけではなく、胃や腸、膵臓にもあることがわかっている。たとえば胃にある甘味レセプターが甘味を感知すると、グレリンというホルモンが分泌されてくる。グレリンは脳の視床下部に働いて食欲を増し、成長ホルモンの分泌を促進するとされているものだ。

 人工甘味料の入ったドリンクを飲んでもグレリンは分泌されるから、食欲が増し、ひいては肥満をもたらすことになる。ちなみに人工甘味料アスパルテームは、ヒトには砂糖の何百倍もの甘味をもたらすのだが、マウスにとっては全く甘くないらしい。この人工甘味料、コカイン以上の依存性がある。

 ところで、おいしいものを食べたり飲んだりすると、脳の快楽中枢がドーパミンなどの神経伝達物質を分泌して、満足感を得る。そして「もっと食べたい」「もっと飲みたい」と思うのである。
 ところが「もっと」「もっと」と満足感だけを求める状態が続くと、ドーパミンの分泌をコントロールできなくなり、依存症や中毒になる。すなわち人工甘味料の甘さは一時的に満足感を得られるが、ドーパミンが枯渇すると、また甘味が欲しくなる。こうして甘味依存症ができあがるわけだ。

 もっと厄介な問題がある。アメリカ国立衛生研究所が約二六万四千人の中高年者の疫学調査をしたところ、人工甘味料入りの炭酸飲料はウツ病を発症するリスクを高めることを大西睦子博士が紹介されている。
 含有するアスパルテームが体内で代謝されるとフェニルアラニンやアスパラギン酸、メタノールに分解される。この際、過剰なフェニルアラニンやアスパラギン酸は先にあげたドーパミンの材料となるチロシンや、落ちつかせる効果をもつ神経伝達物質セロトニンの材料となるトリプトファンなどが脳へ送られるのを妨害することが明らかになった。こうしてドーパミン、セロトニンが減り、ウツ症状が現われると考えられている。
 
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